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あれ?
と、思ったら親鳥が幹線道路を渡っていた。
すぐに、私も中央分離帯に移動する。
あら、と気がついたらしい。
ヒヨコがついてきていない。
てっきり、後ろにいるものだとばかり思っていたのに。
「まったく、手のかかる子だ!」
車は大丈夫かな?
左右を良く見てわたろうよ。
ヒヨコを迎えにいく。
ヒヨコはふてくされているのか?
それとも、親が道路を渡ったのが気がつかないのか?
あれ?
何を思ったのか、親鳥はもうすぐ渡りきるところで止まってしまった。
別に車がきたわけではない。
突然、引返しはじめた。
おいおい、いいのか?
戻ってきてしまった。
安全地帯をウロウロと。
いよいよヒヨコの横断がはじまりました。
親鳥は心配そうに見る。
と、思ったら大間違い。
親はソッポを向いている。
道路の真ん中あたりまで来る。
もうじき中央分離帯だ。
あわてず、のんびりと。
親鳥、ホットする間もなく、次の行動へとせかす。
でないとこのヒヨコ、どこで道草を食うかわからない。
「すぐに、行くならね!」
「ホーイ」
親鳥は反対道路を渡り始める。
そして、渡り終わる。
ヒヨコが横断を開始する。
車線を一つ越えた。
が、信号が変わって車が押し寄せはじめた。
「はしれ!」
でもなんで飛ばない?
ようよう、渡り終えた。
「コラこども、離れるんじゃないよ、ちゃんとついてくるんだよ」
「ホーイ」
「なかなか、いい子だ」
「コラー、道草食うな」
「ホーイ」
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